そんなSNSやSNSマーケティングがある程度成熟した今だからこそ、SNS登場初期のマーケティングの書籍に書かれていることは、非常に新鮮に感じられます。
「#SNS古典を読もう」では、ブックオフで100円で売られているであろうな、そういう書籍を拾い上げて紹介していきたいなと思います。
ビジネス・ツイッター 世界の企業を変えた140文字の会話メディア
ビジネス・ツイッター
デル、ペプシ、フォード、コムキャストから、新興企業、SOHOまでが採用する新戦略。ソーシャルメディアの第一人者がその手法を解き明かす、70超の先進事例が証明した絶大な効果。
この本に書かれていることは、大きく分けてふたつです。ひとつは、Twitterがどのように誕生したかというヒストリーといかに人々に知れ渡ったか、その経緯をまとめたパートです。
Twitter誕生のヒストリー
前半には、Twitterというサービスがどのような発想から作られたものであるか、そしてそれがどのように世の中にサービスとして広まっていったかについて記述されています。到るところに書かれているのでご存知の方も多いと思いますが、本書にもSXSWで鮮烈なデビューを飾ったエピソードも掲載されています。個人的にはTwitterすごい!!って感動しました。
ツイッター・チームは残った金で大きなHDTVモニターを2台購入し、コンベンション・センターの一番人通りの多い角に設置することにした。ツイッターにメッセージが投稿されるとリアルタイムでそのモニターに表示される仕組みだった。そして、それで終わりだった。Twitterは当時金がなく、旅費で予算のほとんどを消化してはいたものの、上述のようにモニターを残った予算で購入し、最も人通りの多い角に設置しただけでした。
10人のツイッター社員、いく人かのブロガーの友人たち、2台のHDTVモニター。これだけでツイッターは世界へのデビューを待つことになった。かっこいいですね。結果として、TwitterはSXSWを興奮の渦に巻き込み、2007年のベスト・サービスに選出されました。
Twitterの企業の・個人の使い方
もうひとつのパートは、企業は、個人は、どのようにTwitterを使っているか。また将来は、どのような使われ方がするだろうか、ということについてです。2010年に書かれている本なので、2018年の現在に見ると「あれはこうなるんだよな」とか「でも実際はこうなんだよね」みたいに、まるで未来人のような気持ちになるでしょう(笑)
また、本書の中で「企業はアイコンに、ロゴを使うべきか。それともスタッフの顔にすべきか」という議論があります。現在からすると、いわゆる「ゆるい公式アカウント」という存在もあるし、どっちでもいいのではと考えると思うのですが、この当時の人、特に筆者であるシェル・イスラエルは真面目です。
彼の持論は「アイコンは、スタッフの顔にすべき」なのですが、本書の中で彼以外の様々なTwitterプロフェッショナルから話を聞いています。もちろん、「アイコンは企業ロゴ派」もいるわけで、尤もらしい説明をされるのですが、筆者のシェル・イスラエルは頑なに認めないところがチャーミングです。本書を手に取る方がいれば、ぜひご注目ください。
余談: Twitter特有のワード
後半には2010年当時、世界でよく使われていたTwitter特有のワードについてまとめられています。いくつか引用してご紹介したいと思います。ツイートアップ
ツイッターを使っている人同士が実際に顔を合わせるオフ会のこと。いつでもどこかでこうした集まりが行われている。
ツイッタラティひとつ目の「ツイートアップ」は今も使われていますね。Twitter社は特にこうした表現を多用している印象があります。
熱心なツイッター利用者のこと。もしくはツイッターでの有名人のこと。
ふたつ目の「ツイッタラティ」、日本では「ツイ廃」と呼ばれる人をこう呼ぶのでしょうか。
こうした本は当時、入門書としての一面もあったので、このような言葉や機能の紹介にもページが割かれています。今とは違う意味であったりするので、ぜひチェックしてみてください。
ビジネス・ツイッター
デル、ペプシ、フォード、コムキャストから、新興企業、SOHOまでが採用する新戦略。ソーシャルメディアの第一人者がその手法を解き明かす、70超の先進事例が証明した絶大な効果。